おかげさまで、ぶし、ドイツのブレーメンという街に滞在し、作品作りと展示をして帰ってくることができました。
ほんとに、いろんな人に、いろんな状況の中でサポートされ、最後までやりきることができたと実感する滞在(と、その前後)でした。
ONGAESHI projectのホームページにその様子が垣間見れます。
先日、日本での報告展も終わり、一先ず一区切り。
振り返りつつ作品の紹介させていただきます。
1つめ
「Sense of touch」
素材:ハンダ、銅、真鍮
サイズ:可変
Sense of touch=触覚というタイトルを持つ、今回のインスタレーション作品は、金属製の作品パーツがカフェカウンターの天井のシャンデリアチェーンを起点に蜘蛛の巣のように会場に伸び、絡んでいます。
私は、植物の蔓をモチーフにインスタレーション作品のシリーズを作り続けています。
常に場所や状況と向き合い展示をするうちに、今回の制作で「このインスタレーションは私自身が場所と向き合うための触覚だ」と強く感じました。
この作品は展示会場となったkukoon(コクーン)のカフェスタッフさんに購入され、現在も常設展示されています。
2つめ
「To be found 1.2.」
素材:ガラス、ハンダ、銅、鉛板
サイズ:1=約25mm
2=約10mm
この作品は一緒にプロジェクトのご縁で、共に日本からドイツへ訪れ制作と展示を行ったトザキケイコさんと展示をコラボレーションした作品。
トザキさんの作品世界に私(=私の作品)がゲスト的におじゃましてみよう、という試みです。
私はトザキさんの作品に、密やかな逞しさと強さ、それらを内包した静けさを感じます。その世界に足を踏み入れるのであれば、私は足音を潜め耳を澄まし踏み込むのでしょう。その静けさを思い、湖面をイメージした作品をトザキさんの作品の中に展示させていただきました。
トザキケイコさんのHP→ http://tozakikeiko.jimdo.com/
3つめ
「I have a something.」
素材:フィルム、ビニール、視力検査用メガネフレーム、カフェのグラス
サイズ:可変
この作品は、私自身が自身の内面と向き合おうとする様子(プロセス)を形にした作品です。
二重窓の間に置かれたグラスにはフィルムが入っています。それをメガネフレームをかけて視ると、ある模様が浮かび上がるという作品。また、窓ガラスに貼られたフィルムを視るとドイツ語「Ich kann es noch nicht sehen 」の文字が浮かび上がる。和訳は「私はまだそれをみることができない。」です。
タイトルの I have a something.=私は何かを持っている。という言葉は「持っているのはずなのに私には見えない。」というニュアンスを含みます。内面を見つめることの難しさをツールを用いて可能にしようとすること。それは私と私の制作に対する姿勢と共通するものです。
制作、展示だけじゃなく、会った人、話したこと、見たもの、聞いたこと、もぉ、いろんなことが濃く充実した時間で、3週間という滞在は本当にあっという間でした。
海外で、ドイツで展示や制作をするというのは、ほとんど長年の夢のような出来事だったので、帰ってきたらしばらく時差ボケと気持ちボケがひどかったです。
月並みな言葉ですが、この経験を糧に次の制作や展示をがんばって行きたいと思います。
そんなわけで!告知です!
迫る6月3日に大阪でのイベントに参加します。
キャンドルナイトイベントにてインスタレーション作品を展示してきます。イベント詳細→http://candle-night-osaka.jp/event/corridor/
ぜひぜひ、ご覧下さい!